韓国へ輸出したフッ化水素の横流し先は中国、イラン、北朝鮮?

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韓国へ輸出したフッ化水素は中国に横流しされていたという説が濃厚。それ以外にもイランや北朝鮮に横流しされていたという説があります。

今回はその辺りの説について整理していきます。

目次


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韓国をホワイト国から外した背景

韓国をホワイト国から外した背景は韓国に輸出したフッ化水素が行方不明になるという事案が発生したからと言われています。

(参考:韓国のフッ化水素、行方不明でどこに?やはりイランか?

ある時には99.7%が韓国から行方不明になったこともあったようです。

また小野寺五典元防衛大臣によると韓国に輸出したフッ化水素について韓国に確認すると70%は工業用と確認されたが30%は何に使っているのか不明だったようです。

そこで韓国に問い合わせたのですがが、韓国は何に使っているのか回答が無かったとしています。ようするに無視したわけです。

例えば、日本は今までウラン濃縮にも使える素材について、韓国企業から『100欲しい』と言われたら100渡していた。ところがよく見てみると、実際に工業製品に使うのは70ぐらいのはず。残り30はどうなのだろう。『全部ちゃんと使っていますよね』と韓国政府に確認しても最近は報告が来ない。信頼して出してきたのだが、協議に応じてくれない。

だから、半導体の製造に使うけれど、ウラン濃縮にも使ううえ、VXガスやサリンなどの毒ガスの原料となるエッチングガス(フッ化水素)の対韓輸出の管理を強化したのであり、これは報復ではなく国際的な義務なのだ、と小野寺・前防衛相は強調しました。

同時に管理を強化した、半導体の製造プロセスで利用するレジスト(感光材)と、有機EL製造に使うフッ化ポリイミドは、それぞれレーダーと戦闘機の素材にもなる、とも解説したのです。

参考元:日本に「怪しい国」認定された韓国 文在寅は「受けて立つ」というが、保守派は猛反発(デイリー新潮2019年7月9日)

 

韓国から横流し先は中国など(イラン?、北朝鮮?)

韓国の横流し先の主な国は中国と言われています。

その理由は日本から中国へはフッ化水素をそれほど輸出していないのに韓国から中国へのフッ化水素輸出が増えているからです。

それ以外にもイラン、北朝鮮へも輸出されているのではないかとも囁かれています(この辺りは推測の域)。

 

韓国から中国へのフッ化水素横流し

韓国から中国へのフッ化水素横流しは先の理由からほぼ間違いないと思われます。

以下は中国のフッ化水素輸入元ですが韓国、台湾からの輸入が多い。

フッ化水素輸入量中国

 

一方で日本からフッ化水素の輸出は以下の通り。韓国へ輸出したフッ化水素が中国へ輸出されている可能性は高いと言えそうです。

フッ化水素輸出量日本

(グラフ参照元:対韓国輸出管理:「横流し先は中国か」を統計から読み解く — 五十嵐 哲也(アゴラ2019年7月17日))

そして中国に横流しされたフッ化水素はサムスンやSKハイニックスの中国半導体工場に使われるのであろうと推測されています。

一方でアメリカは中国に半導体工場が作られることを警戒しています。中国での半導体製造を牽制する意味で日本を使って韓国へのフッ化水素輸出を規制した可能性もあるでしょう。

アメリカが日本の韓国のホワイト国外しに何も言わないのは、もともとアメリカの指示で日本が動いていたからかもしれません。この辺りの詳細は不明ですが少なくとも日本が韓国をホワイト国から除外するのはアメリカに報告済みと思われアメリカが理解した上での動きと言えるでしょう。

 

韓国から北朝鮮、イランへのフッ化水素横流しもあった?

高濃度フッ化水素酸については韓国をホワイト国除外する前に輸出管理強化しています。7月から3点セットで輸出管理強化の対象になりました。

その理由として北朝鮮、イランへの横流し疑惑もありました。核濃縮や化学兵器に使われているのではないかという疑惑です。

しかしながら核濃縮には高濃度フッ化水素酸を使用する必要はないとされています。それほど濃度が高くないフッ化水素でも核濃縮に使えるらしい(本当かどうかは不明)。

それが本当ならば高濃度フッ化水素酸を北朝鮮やイランへ横流ししている疑惑は無さそう。

ただし、イランは9月5日に核濃縮20%を見送りと発表しています。これは日本が韓国をホワイト国除外したタイミングとぴったり(8月28日から除外)。

イランのロウハニ大統領は四日、核合意で定めた規制内容を破る履行義務停止の第三弾を六日に始めると発表した。ウラン濃縮のために使用する遠心分離機の増設を含めた研究開発を推進するとしている。ただ、核兵器製造を容易にするウラン濃縮度を20%以上に高める方針は見送った。

(参考元:イラン、遠心分離機増設 ウラン濃縮20%見送り あすから第3弾(東京新聞2019年9月5日))

高濃度フッ化水素酸以外で核濃縮に使う他の何らかの材料が韓国ホワイト国除外によって、イランに横流しできなくなって核濃縮20%取りやめた可能性はあるかも。もちろん、この辺りも推測にすぎません。

ちなみに核濃縮以外でも毒ガスなど化学兵器の原料になると指摘されていましたが、サリンなどの化学兵器に使うフッ化水素は無水フッ化水素とのこと。

ざっとみたところ化学兵器、つまりサリンなどの一部にフッ素原子を含む毒ガス類は含水フッ化水素だとまず反応が進まないか、たとえ合成出来ても酸/アルカリ環境では加水分解してしまう可能性が高いものがかなり多いため、おそらく使用には不向きと見込まれます。

(参考:高純度フッ化水素酸のあれこれまとめ(Chem-Station2019年9月13日))

なので当初の横流し疑惑とは別と言えますが、無水フッ化水素酸もホワイト国除外で8月28日から輸出管理されることになります。

 

まとめ

これまでのことから考えると日本が韓国をホワイト国から除外した主な理由は中国への横流し防止が理由と言えるでしょう。

ただし、イラン、北朝鮮への横流しの可能性もあります。

ともかく横流しを規制するために日本から韓国へ協議を求めたにも関わらず韓国は無視した。そこで日本は独自に輸出管理強化したのは当然の流れです。

ただ、この辺りを細かく説明しようとすればどうしてもアメリカの関与が出てくるので説明が困難。ということで日本政府は説明を濁している部分もあるのでしょう。日本としては板挟みでただただ面倒な話です。

ともかく、今後、韓国から中国へのフッ化水素輸出が減少すれば横流しは確定でしょう。その辺りの状況もチェックしていきたいところです。

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