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韓国の外貨準備高が2019年に入り減少傾向になっています。
この外貨準備高は韓国ウォンの安定のために積み上げられているので、それが減っているというのは為替介入、通貨防衛に使われたと見るのが自然でしょう(その辺りの情報が中央日報から出てきました)。
では現実に韓国の外貨準備高がどの程度減っているのか、現状を確認していきます。
目次
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記事「1200ウォン崩壊防げ…韓国外為当局、上半期に38億ドル放出」より
外貨準備高を使って通貨防衛(ウォン安防衛)したと紹介している記事の概要は以下の通り。2019年の上半期は38億ドルを売りこしたようです。
記事タイトル:1200ウォン崩壊防げ…韓国外為当局、上半期に38億ドル放出
<記事をざっくりまとめると>
参考元:1200ウォン崩壊防げ…韓国外為当局、上半期に38億ドル放出(中央日報2019年10月1日) |
韓国の外貨準備高の推移(2000年~2018年)
まず38億ドルも為替介入していて大丈夫なのか?ということですが、現実には韓国の外貨準備高は4000億ドルで今回為替介入でしたとされる金額はその1%水準で特に問題ないようにも感じられます。
上のグラフのように2000年に1000億ドルだった外貨準備高はその4倍水準の4000億ドルまで増え世界でも8位~9位ぐらいの水準となっています。すなわち韓国は通貨危機が起きにくい国ということです。少しぐらい為替介入したところで全く問題なし。
とは言え、2008年には外貨準備高が2500億ドルあったにもかかわらず通貨危機になったのは記憶に新しいところです。中国、アメリカ、日本のスワップを使ってようやく立て直したので現在の4000億ドル水準でも問題がないのか?と言われると残念ながら韓国は通貨危機の可能性があるとしか言えないでしょう。
その理由は中国とはスワップを締結していないという話もあり(詳細は不明)、更にはアメリカ、日本は韓国と距離を取っている状況なので今後もスワップを締結できそうにないからです。
対外的には2008年よりもかなり悪い状況でありそこから考えると今の韓国は2008年当時よりも厳しい状況になっている可能性もあります。
(参考:韓国、外貨準備高の実態)
韓国の外貨準備高の推移(2019年1月~8月)
こちらは韓国の2019年1月~8月の外貨準備高の推移になります。2019年1月には4055億ドルあった外貨準備高ですが、徐々に減って2019年8月には4015億ドルまで減っています。
2019年1月から6月にかけて38億ドル売り越したということですが2019年8月は更に売り越した額が増えていると思われます。
韓国の外貨準備高、証券と現金の推移(2019年1月~8月)
(証券は左軸で現金は右軸です)
こちらは韓国の2019年1月~8月の外貨準備高のうち証券と現金の推移をまとめたものです(証券、現金、その他もろもろの合計が外貨準備高)。このグラフを見てもらえれば分かりますが証券の金額が3800億ドルから3700億ドル水準まで一気に100億ドルも減っていることが分かります。
逆に現金はおよそ160億ドルから200億ドルにと40億ドル程度増えています。外貨準備高が減っているにも関わらず現金が増えているのは通貨危機に備えて為替介入できる現金を増やしたということでしょう。すなわち証券の現金化を進めている。(だいたいの傾向ですが証券が減っている時期に現金が増え、逆に証券が増える時は現金が減っています)
すなわち2019年は「外貨準備高の証券の現金化⇒為替介入」という流れになっており、そのために外貨準備高の金額が減っているといるということです。
2019年8月までのデータを見る限りでは、為替介入を続けているにしても現金部分は逆に増えているのでまだまだ十分に余力はあるということが分かります。
(ただし2019年8月は証券、現金共に減少しており介入金額はかなり多かった可能性があります。この傾向が続けば危険かも)
ウォン安の状況(ドルウォンレート)
こちら2019年のドルウォンレートの推移のグラフです。2019年9月ぐらいまではきれいな右肩上がりでウォン安進行。
(参考:ドルウォンレートの推移、1200突破でどうなる!?)
先の2019年10月1日付け中央日報の記事によると2019年5月の為替介入などで上半期は38億ドルを為替介入に使ったということですが、その後の動きを見ると2019年8月は更にウォン安進行。2019年7月~9月に更に多くの為替介入を行った可能性を感じます。
先の2019年1月~8月の外貨準備高の推移グラフで8月が最低水準になっていますがこれはウォン安状況と合致しています。9月も1200付近で推移しており今後もウォン安防衛(通貨防衛)に外貨準備高を使って為替介入する可能性があります。2019年は外貨準備高がどこまで減るのか注目でしょう。
(韓国当局は「外貨準備高が減っているのはドル以外で保有している部分がドル高で減少したから」という説明でした。しかしながら、どうやらそれは嘘で為替介入に使ったというのが正解ということですね。為替介入をアメリカに怒られると思ってそのように発表していたのかもしれませんがウォン安是正の介入についてはアメリカは容認するので問題はありません。その一方で為替介入に既に40億ドル(4兆ウォン)ものお金を投入したことについては韓国国民が不安を覚える可能性は高く、そのために嘘の説明をしたのかもしれません)
韓国の外貨準備高、今後の展望
韓国の外貨準備高は4000億ドル規模で、2019年はウォン安になったといっても1%水準しか為替介入に使っていない。だから当面の問題はないと考えることもできるでしょう。
ただ、それほど安心できる状況でもないかもしれません。
その理由としては韓国の外貨準備高は証券部分が多く簡単に換金できない可能性があるからです。ここ数ヶ月は換金しやすい部分を換金して通貨危機に備えてきたのでしょうが残り3700億ドルの証券のうち、どれだけ換金が可能なのかは不透明。
韓国2019年8月の外貨準備高の内訳 | ||
項目 | 金額 (億ドル) |
前月比 (億ドル) |
合計 | 4015.0 | -16 |
証券 | 3710.0 | -10 |
現金 | 197.0 | -6 |
SDR | 34.0 | 0.0 |
IMFポジション | 27.0 | 0.0 |
金(GOLD) | 48.0 | 0.0 |
(参考:韓国の外貨準備高2019の推移、内訳)
8月も証券のうち10億ドルが現金化されています。それにも関わらず現金が減っているのでかなりおおがかりな為替介入したと思われます。
このように今はまだ「外貨準備高の証券の現金化⇒為替介入」の流れが続いていますがこのうちの「外貨準備高の証券の現金化」の流れが止まったら証券の現金化の危険信号かもしれません(外貨準備高の危険信号でもある)。
韓国の一次所得の増大は証券の現金化?
韓国の経常収支を見ていて少し不思議に思っていたのが2019年は一次所得がやたらと増えていたということです。2018年から比べると貿易収支が大幅に減少したにも関わらず一次所得がやたら大きく経常収支は安定してプラスでした。
(参考:韓国の経常収支の推移)
その一次所得がやたら大きい理由が外貨準備高の証券の現金化にあった可能性を感じます(韓国マスコミの記事内では一部民間企業が資産を国内に移したという記述がありまししたが、それよりも外貨準備高の証券の現金化の可能性を感じます)。
朴槿恵政権までの貯金を崩して何とか国家運営しているという感じでしょうか。国内経済の失策、外交の失策など文政権になってから韓国が危険な状況になってきていると感じます。
まとめ・考察
- これまで韓国の外貨準備高は順調に増えてきたが2019年は減っている
- 証券部分を現金化して為替介入している模様
- 2019年上半期には38億ドルの為替介入をしたようだがまだ余裕はありそう
- ただし証券の現金化がどこまでできるのかは不透明
- アメリカや日本のスワップ締結ができそうにないのが懸念材料
今回は韓国の外貨準備高が2019年に減ってきていることから、実際にどのような動きがあるのかをまとめました。今後、ウォン安が進めば更に為替介入せざる得ないでしょう。韓国の外貨準備高の更なる減少が懸念されます。
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