サムスン電子(三星電子)の業績2019など

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サムスンの業績が少し落ちてきました。

サムスンは巨大企業であり少し業績が落ちるぐらいでは何ともないのですが問題は韓国経済です。サムスンの業績が少し落ちるだけでも輸出や税収に大きな影響が出ます。

そして2019年はサムスンの業績が落ちる可能性が高く、それが韓国に大きな影響を与えそうです。今回はサムスンの2019年の業績についてまとめていきます。

目次


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サムスンの業績が2018年後半から失速

サムスンの業績が2018年後半から失速しています。その状況について以下に解説します。

2018年後半からの半導体需要の減少

2018年後半からサムソンが失速している最大の理由は半導体需要の急減。スマホやデータセンターの半導体需要が一巡し減少に転じています。

2018年の中頃までは逼迫していた需要に合わせてサムスンとSKハイニックスが供給量を増やし多大な利益を得ていましたがその需要が一服したわけです。

このまま伸びると思われた需要が伸びなくなったことで売れなくなり半導体の在庫がだぶつきます。在庫過剰で当然のように2018年後半からは価格が下落しています。

これまでに多大な利益を出していたのですが2018年後半からは多少なりとも失速する場面になっている状況。経営的にはそれほど打撃があるわけではありませんが今後も需要が冷え、更には中国が半導体を生産するような状況になればその影響は大きくなっていくと思われます。

 

2018年後半からサムスンの業績ダウン

半導体需要がダウンした影響で価格が下がり2018年10月~12月の決算では前年前期比で38.5%の営業利益ダウンと大幅ダウンとなりました。

サムスンの中でも半導体の占める割合が大きいので、サムスン全体としての業績のダウンが懸念されます。

タイトル:サムスン電子10~12月期に減益 通期は過去最高

(以下、一部引用)

2018年10~12月期の連結決算(速報値)によると、本業のもうけを示す営業利益は10兆8000億ウォン(約1兆4930億円)で、前年同期比28.7%減少した。4半期ベースで過去最高を記録した前期比では38.5%減。売上高は59兆ウォンと、前年同期比10.6%、前期比9.9%、それぞれ減少した。

それでも通期でみると、営業利益が58兆8900億ウォン、売上高が243兆5100億ウォンと、いずれも過去最高を記録。

引用元:サムスン電子10~12月期に減益 通期は過去最高(朝鮮日報、2019年1月8日)

 

サムスンの経営は危険?

サムスンは2018年10月~12月は業績が大幅ダウンしたわけですが、それでも四半期で1兆4930億円もの利益を出しているお化け企業です。通期で年間5兆円~6兆円の利益を出しておりまだまだ問題はないと言えるでしょう。

今回の半導体ショックはこれまで多大な利益を出しており、また黒字経営を続けているのでサムスンの経営に打撃を与えるほどではないと思われます。

もちろん四半期レベルでも赤字が出るような状況になると大問題になりますけどね。

そして肝心なのは韓国経済になります。サムスン自体はまだまだ問題ないとは言え、その業績ダウンがもろに韓国に影響を与えます。

2018年後半は陰りが見えたサムスンの業績。それでは次にサムスンの2019年の業績関連情報を見ていきましょう。

 

サムスンの業績2019関連

サムスンの2019年の業績関連情報を以下にまとめます(少しずつ追加していきます)。

 

1月のDRAM半導体価格が14.9%下落(2019年1月)

2018年後半に下落した半導体価格が更に下落したようです。

記事によると2019年1月のDRAM輸出物価指数は1ヶ月前よりも14.9%落ちたとのこと。その下落幅は2011年8月以来の大きな下落幅とのことでサムスンの業績への影響は更に大きくなるようです。

半導体輸出減少額は23.3%とのことでこの額が更に2月、3月と減少を続けるようであれば影響は大きくなっていきます。四半期の利益がどこまで落ち込むのか注目です。

タイトル:韓経:1月のDRAM半導体価格14.9%下落…7年5カ月ぶり最大の下げ幅

(以下、一部引用)
韓国銀行が19日に発表した「2019年1月の輸出入物価指数」を見ると、先月のDRAM輸出物価指数(2010年100基準)は34.16で1カ月前より14.9%落ちた。2011年8月の21.3%以降で最も大きい下落幅だ。

DRAM輸出物価は昨年8月から毎月下落している。6カ月連続の下落は2016年2~8月の7カ月以降で最も長い。また別の輸出主力製品であるフラッシュメモリーは状況がさらに良くない。2017年11月から15カ月連続で輸出価格が落ちている。韓国銀行関係者は「中国のスマートフォン需要が振るわない上に世界的なIT企業の半導体注文が減ったため」と説明した。

輸出価格が下がれば同じ量を売っても収益は減る。半導体輸出額は昨年12月と今年1月の2カ月連続でマイナスを記録した。先月の輸出減少率23.3%は金融危機当時の2009年4月の26.2%以降で最も大きかった。輸出比率が20%に達する半導体が振るわないため輸出全体も昨年12月に1.2%、今年1月に5.8%減少した。

(引用元:韓経:1月のDRAM半導体価格14.9%下落…7年5カ月ぶり最大の下げ幅(朝鮮日報、2019年2月20日))

 

サムスンの第1四半期の利益は42.6%減(2019年1月~3月)

2018年後半から始まった半導体価格の下落に伴ってサムスンの業績も下がってきています。世界の半導体特需にうまくのってものすごい利益を上げたサムスンではありますがその半導体の売上が落ちたので利益が激減しました。

スマホで大きな利益を上げ、次に半導体で大きな利益を上げ続けてきたサムスンですが次の利益が出る商品が必要になってきています。

大きな利益が出るものの他者に追いつかれて利益が出なくなるという状況はスマホ、半導体と続きそうです。

他者には真似ができない分野の開発が必要にも感じますね。

ただ業績が下がったとは言っても4半期で6000億円もの利益が出ています。

やはり凄い企業です。このまま単純に業績が下がり続けることもないでしょうが、仮にサムスンに赤字が出るようであれば韓国はかなりやばい、今後の業績に注目です。

タイトル:三星電子の業績不振、第1四半期の営業利益は6兆2000億ウォン

(以下、一部引用)

三星(サムスン)電子が予告したとおり、5日、「アーニングショック」並みの第1四半期(1〜3月)の業績を発表した。

売上高は52兆ウォンで、営業利益は6兆2000億ウォンであり、営業利益は前期(10兆8000億ウォン)より42.6%減少し、1年前(15兆6400億ウォン)に比べれば60.4%も減少した。三星電子の四半期の営業利益が10兆ウォンを下回ったのは、2017年第1四半期(9兆9000億ウォン)以降初めてだ。

(引用元:三星電子の業績不振、第1四半期の営業利益は6兆2000億ウォン(東亜日報、2019年4月6日))

 

サムスンのスマホ関連情報2019

サムスンのスマホは?

半導体ともう1つの稼ぎ頭だったスマホはかなり厳しい状況でかつての勢いはありません。

世界的にスマホの需要は一巡、しかも中国がサムスンよりも先行する形になりつつあります。

スマホは値段が高く一定の機能があれば十分という人が増えている状況。中国のスマホは値段も安くてそれなりに高性能なのでユーザーが中国スマホに流れています。

そんな中でサムスンは新しい需要を掘り起こそうと折りたたみスマホを提供。スマホとタブレットを共用するような形で素晴らしいのですがどこまで需要があるのか?

22万円という価格から考えてもパソコンよりも圧倒的に高いので今すぐの買い換えがあるかどうかは微妙な状況だと思われます。機能にもよりますが5万円のスマホと5万円のタブレット程度で十分と考える人も多くいると思います。

タイトル:サムスンの折り畳みスマホ、外信は技術を評価も高価格戦略を疑問視

(以下、一部引用)

サムスン電子は20日(現地時間)、米サンフランシスコで開催した新製品発表イベントで、折り畳み式スマートフォン「ギャラクシーフォールド」を公開したが、この新型スマホは韓国国内だけではなく世界各地でも熱い注目を集めている。サムスン電子が今年最も力を入れるべき戦略スマートフォン「ギャラクシーS10シリーズ」4機種よりも注目されているのだ。海外メディアは主要ニュースで新製品発表イベントを報じたが、技術・デザインに関しては概ね好評だった一方、高い価格については疑問視した。

(引用元:サムスンの折り畳みスマホ、外信は技術を評価も高価格戦略を疑問視(朝鮮日報、2019年2月21日))

折りたたみスマホは基本的には儲けるために出したというわけではないでしょう。あくまでも技術を見せつけるためのもの。ミドルエンド、ローエンドの機種を売るための戦略と考えていいでしょう。

今後はそのミドルエンド、ローエンドの機種がどこまで売れるのかに注目です。

 

サムスンの折りたたみスマホの発売延期

その後、サムスンの折りたたみスマホは発売延期となりました。

レビュー機で問題が多く見られたためです。

レビュー機というのは本来はその性能やデザインを消費者に見てもらうためのものであり、故障のチェックをしてもらうためのものではありません。良いレビューを書いてもらう必要がありますからね。

それにも関わらず故障の報告が続出したというのは大問題。サムスンの生産工程で全く不良チェックができていないということです。日本の技術屋から見たらびっくりでしょう。

ともかくレビュー機という遅すぎる段階とは言え製品不良が見つかったのは良かったことです。きっちりと対応して生産に繋げてもらいたいところですが、、、。

タイトル:「サムスン電子、ギャラクシーフォールドのレビュー用製品を全面回収へ」

(以下、一部引用)

サムスン電子は23日にレビュー過程で露見した問題を点検し内部テストを追加で行うために発売を延期することを決定した。

ギャラクシーフォールドは当初今月26日に米国で最初に発売し、5月3日に欧州、5月中旬に韓国で発売する予定だったが、短い場合は数週間、長くて1~2カ月延期されるものと見られる。

サムスン電子は発売時期を数週間以内に改めて発表する予定だと明らかにした。

(引用元:「サムスン電子、ギャラクシーフォールドのレビュー用製品を全面回収へ」(中央日報、2019年4月24日))

 

サムスンの業績が韓国経済に与える影響

サムスンの業績が韓国に与える影響は大きい。

サムスン以外の輸出関連企業はほとんどが業績が伸びていません。その現状でサムスンの業績が下がれば全体的に下がってしまいます。

韓国のGDPに占める輸出の割合は大きいので輸出が韓国のGDPを押し下げる可能性もあります。国内の需要の伸びない中で輸出も下がるとなれば予想の2.5%成長は2.0%以下になることも考えられます。

 

韓国、2019年2月の輸出が11.7%減、半導体27%減(中間発表)

そしてその不安が現実のものになりそうです。2019年2月の輸出は11.7%減。半導体は27%減となっています。

輸出がGDP成長を押し下げる形が現実になっています。このままだと2019年1月~3月のGDPはマイナス成長になる可能性も?そのようなことがあれば韓国の経済はかなり厳しくなります。

輸出だけでなく輸入も減っており国内経済も振るわない状況です。

そして危険なのが赤字に転落しそうということ。もし赤字に転落したら韓国の資本が海外に逃げる可能性が高まっていきます。

タイトル:韓国、2月の輸出が11.7%減少…半導体27%減

(以下、一部引用)

2月1日-20日の韓国の輸出額は233億3100万ドルと、前年同期に比べ11.7%減少した。特に主要品目の半導体の輸出が27.1%も減少した。

韓国関税庁が21日に発表した「2019年2月1-20日輸出入現況」によると、操業日数を考慮した一日平均輸出額も18億7000万ドルと、前年比8.2%減少した。これを受け、輸出は3カ月連続でマイナスになる可能性が高まった。

輸入額は242億9400万ドルと、前年同期比17.3%減少した。家電製品(37.8%)の輸入は増えたが、原油(-16.3%)、ガス(-11.4%)、乗用車(-11.1%)の輸入が減少した。

貿易収支(輸出-輸入)は9億6300万ドルの赤字となった。1月の貿易収支は13億4000万ドルの黒字だった。2月の貿易収支が赤字になれば、85カ月ぶりの赤字転換となる。

(引用元:韓国、2月の輸出が11.7%減少…半導体27%減(中央日報、2019年2月22日)

 

2019年第1四半期GDPがー0.3%

2019年第1四半期の韓国のGDPが-0.3%ということで下落しました。2019年の年間を通して2.5%程度の予想をしているところが多いのでマイナスというのはかなりショッキングな数字。達成しようと思ったら次の四半期から連続して1.0%程度の成長が必要です。

結局の所、サムスンを中心とした輸出企業の業績がそのまま反映されている感じがします。また、企業が韓国国内に投資しようと思っても労組が強く賃金も高い、企業増税もあるので投資意欲もわかないということもあるでしょう。これについては政府の政策の問題も重なっている。

外部要因が大きいにしろ、それを更に悪化させているのが韓国政府という構図になっていると思われます。韓国は民間はかなり頑張っているのですが文政権がその足を引っ張っている印象。

タイトル:韓国、経済危機でもないのに-0.3%逆成長ショック(1)

(以下、一部引用)

成長はなかった。直前四半期に韓国経済は後退した。韓国銀行が25日に発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)増加率(速報値)は-0.3%(前期比)を記録した。

世界金融危機の時の2008年10-12月期(-3.3%)以降、10年3カ月ぶりに最も低かった。2017年10-12月期(-0.2%)以降、5四半期ぶりのマイナス成長率だ。景気不振が数値で確認されたことを受け、政府支出をもっと増やして基準金利を下げるべきだという市場の圧力は強まる見通しだ。

1-3月期の成績表で見る韓国経済は総体的難局だ。消費と投資・輸出のどれ一つとして頼れるところがない。韓国経済のエンジンだった輸出は冷めている。1-3月期の輸出は前期比2.6%減となった。

半導体など主力産業の不振の中で投資は急落した。設備投資の増加率は3カ月前より10.8%縮小した。通貨危機直後である1998年1-3月期(-24.8%)以降、21年ぶりに最も低い水準だ。

建設投資(-0.1%)は再びマイナスに転じた。民間消費(0.1%)と政府消費(0.3%)は、崩れていく輸出と投資を食い止めるには力不足だった。

(引用元:韓国、経済危機でもないのに-0.3%逆成長ショック(1)(中央日報、2019年4月26日)

 

韓国経済危機2019

韓国の経済は非常に危険な状況です。

文政権の失策で失業者が大量に溢れかえっています(政権がそれを認めておらず、それでも支持率が高いのがびっくりですが)。

文政権は前の政権の責任にしていますが、どう考えても文政権の失策による影響が大きい。仮に前政権の悪影響があったとしても、その悪影響を少しでも止めるのが現政権の役割。現実には逆に状況を悪くする政策ばかりをしておりその責任は大きいです。

サムスンの輸出以外にも懸念する情報が多く、そのいずれかがトリガーになって危機的状況になる可能性があります。サムスンの輸出が振るわないとなるとかなり深刻な状況になる可能性もあるでしょう。

(参考:韓国の経済危機2019

 

サムスンの業績2019まとめ

サムスンは半導体で大きく業績を伸ばしてきましたがその半導体も需要が一服、当面は調整が続きそうな雰囲気です。

どこまでの調整が続くのか?サムスンの業績にも大きな影響を与える可能性があります。

そしてその影響をもろに受けるのが韓国経済、危険な状況になりつつあると感じます。

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